22期 Fuk-美酒らん部
「日本酒のことをもっと知りたい」「福岡の地酒を体験したい」「おいしい日本酒の発酵パワーで美活!菌活!したい」そんな目標を持って集まったメンバーと日本酒について学んでいます。
そもそも日本酒とは?他のお酒とは何が違うの?という基本的な知識から、楽しみ方、日本酒に含まれる麴菌や発酵パワーについて学び、味わうだけではない、健康効果や美容効果も知って、福岡のお酒の魅力を世界に発信します!
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- 第1回
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公式ブログでは、活動の様子を楽しくレポートしています。こちらもぜひご覧ください♪
第1回目、初日は、これから一緒に活動する部員同士、それぞれの目標や、好きな日本酒の銘柄などの情報交換をし、交流を深めることからスタートしました。
講座は、日本酒の基礎知識、そして塩麴づくりを体験しました。日本酒基礎編
1.福岡は酒どころ
「良い日本酒にかかせないのは、良い水と良い米と技」
1,000m級の山地、筑後川などがあり、酒造りに最適な福岡県。国内でも早くから稲作が行われた地域で、代表的な酒造好適米「山田錦」の生産地でもあります。山田錦は、食糧用の米とはまったく品種が違い、麹菌が中まで入りやすいそう。おいしい酒に欠かせない、良質な水と米、そして、優れた杜氏の技とすべてそろっているのです。県内には、60ほどの酒蔵があり、全国第5位の数を誇ります。2.日本酒ができるまでの工程
日本酒造りは、酒米を精米することから始まり上槽までを約1~2か月程度かけてつくられます。
※1 蒸米に麹菌を付着させ麹を造る工程が、麹造りです。蒸米に麹菌を振りかけてから、2晩3日程度、温度・湿度の管理をしながら見守ります。
※2 酒母・蒸米・麹・水を仕込んでから発酵した醪(もろみ)は、日本酒と酒粕が一緒になっている状態です。醪(もろみ)をしぼって、日本酒と酒粕に分ける作業が上槽です。ここで出るのが「酒粕」。精米から、瓶詰までの工程で蔵人たちの技と経験が生き、様々な味わいの日本酒ができあがります。
3.日本酒は並行複発酵
お酒は、それぞれ異なる原料と醸造方法によって作られます。日本酒の醸造方法「並行複発酵」は、他のアルコール飲料には見られない高度な醸造技術です。
特徴 ビール ワイン 日本酒 主な原料 麦 ぶどう 米 糖化 麦芽 原料に糖分が含まれるため不要 麹菌 発酵 酵母(糖化後に実施) ワイン酵母(果汁中の糖を発酵) 酵母(糖化と同時に実施) 麹の魅力
1.麹とは?
日本酒造りでは、蒸した米に“麹菌”を付着させ“麹”を造ります。この麹の出来が、日本酒の味わいを左右します。
日本酒の他にも、しょうゆ、味噌などの食品が麹を原料としています。日本酒はしょうゆ、味噌などと同じ発酵食品であり、麹が日本酒の旨味の元になります。
麹には多くの酵素やビタミン類が含まれているので、美容や健康の分野でも注目を集めています。また、そして、麹に含まれている酵素は、消化や吸収を促進したり、腸の善玉菌を増やしたりして腸内環境を整えてくれる働きもあります。腸の働きが活性化することによって、得られる効果が期待できますね。(美肌・免疫力アップなどなど)また、麹菌は発酵の過程で多くのビタミンB群を生成するので、疲労の回復や美肌の維持、活性酸素の除去も期待できます。適量の日本酒は、美味しいだけではなく、美容と健康に嬉しい効果をもたらしてくれる栄養素がたくさん含まれているのです。2.塩麹をつくろう
そんな麹に塩と、水を加え「塩麹」をつくりました。
混ぜ合わせたものをそれぞれ持ち帰り、出来上がった塩麴でお酒に合う一品をつくることが、この回の宿題です。
唎酒(利き酒)タイム
テーマは「夏酒」
今回いただいたのは、4つの銘柄。
- 銘柄:大賀 純米吟醸うすにごり 蔵元:大賀酒造株式会社
所在地:筑紫野市 区分:純米吟醸酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:15度 精米歩合:60% - 銘柄:さわやか夏の純米酒 池亀 蔵元:池亀酒造株式会社
所在地:久留米市 区分:純米酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:15度 精米歩合:75% - 銘柄:楢の露 純米夏酒 蔵元:勝谷酒造合名会社
所在地:宗像市 区分:純米酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:14度 精米歩合:60% - 銘柄:三井の寿 夏純吟 チカーラ 蔵元:株式会社みいの寿
所在地:三井郡 区分:純米吟醸酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:15度 精米歩合:60%
チェックシートに飲んだ感想を、それぞれ記入します。この時間になると、隣同士で感想を共有していました。
「フルーティ!」「さわやか」「なんと表現したいいのか語彙力※が……」など。回を重ねるごとにもっとたくさんの言葉で、飲んだことのない人に伝えられるようになるといいですね。
※唎酒用語は、次回学ぶ予定です。 -
- 第2回
第2回目は、前回の宿題「塩麴を使ったレシピ」の発表に始まり、ゲスト講師「山の壽酒造」当主片山郁代さんから酒蔵を継いだ経緯、その後の経営についてお話を聞き、その後、正しい唎酒の方法ついて学びました。
部員のみなさんのレシピ
山の壽 八代目当主 片山郁代さん
江戸時代末期(1818年)に創業した山の壽酒造。
酒蔵の三女として生まれた郁代さんが、稼業を継ぐまでのエピソードや、久留米という自然の恩恵と、洪水の試練を幾度となく繰り返してきた土地を愛し、この地で酒造りを続ける思いなどをお聞きしました。
郁代さんは、2017年に8代目を襲名し、従来の杜氏制から社員全員が酒造りに携わる社員制へと体制を転換しました。代々受け継がれる技術をもとに、社員の多様性とチーム力を活かした、新たな日本酒を提案し続けています。
まだまだ、男性社会のイメージが強い酒造り業界中で、近年、活躍する女性の一人です。唎酒
お酒の色、香り、味などを人の感覚で評価することを「唎酒」といいます。
唎酒の目的
- プロとして 専門的な知識や技量を持った(唎酒師)プロが、品質チェックや公的な審査をしたり、飲み手に日本酒を美味しく飲んでいただくための提案をします。日本酒の販売や提供をする場で活躍しています。
- 飲み手として 日本酒をゆっくり味わって飲み、料理の味に合わせた飲み方をしたり、お酒と旬の肴の味を楽しんだりします。
容器(酒器)
日本酒の酒器にはさまざまな素材や形状のものがあります。酒器によって日本酒の香りや味わいの感じ方が変わるためです。よく見る、蛇の目のお猪口がありますが、プロの鑑定では、色による先入観を排除するために、アンバーグラスと呼ばれる黄色系のグラス使って、味や香りだけで判断することもあるそうです。日本酒の種類や、飲み方にあわせて酒器を選べるようになれば、もっと日本酒を楽しめるようになりそうです。
唎酒の仕方
①光沢
【日本酒の色を見る】透明に見えますが、本来の色味はグリーンやイエローを含んでいます。「プラチナ」「シルバー」などと例えることもあります。色の他にも、透明度や粘度などもじっくり見てみましょう!②香り
【香りを嗅ぐ】日本酒には、香りがあまり感じられないものから、華やかでフルーティな香り、バナナや花のような香りなど、香りに幅があります。香りは日本酒の温度や酒器によって変わってくるので、そうした変化も楽しめます。③味
【味わう】口に含んだときの第一印象や、変化する味の広がり、後に残る印象などをチェックし、日本酒の甘み、酸味、苦味、旨味を確かめます。飲んでのどごしや後味を確かめるのも良いでしょう!
※プロの審査会では一度口に含んで味わいを確かめた日本酒は、吐き出すのが一般的です。唎酒の用語
日本酒の特長を表現する言葉。色、香り、味などに関する用語が100種類以上あります。
例えば、色は、黄金色、白く濁っている。香りは、上品、果実臭、バナナ、りんご。味は、濃い、切れがいいなど。飲み手は、減点法ではなく、よい表現を心掛けましょう!唎酒(利き酒)タイム
山の壽酒造より、タイプの違う4種をいただきました。
- 銘柄:山の壽純米酒辛口夏酒 区分:純米酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:14度 精米歩合:65%
- 銘柄:ヤマノコトブキフリークス1うたかたなま 区分:非公開 原材料:米、米麹 アルコール度数:13度 精米歩合:55%
- 銘柄:ヤマノコトブキフリークス2 区分:純米酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:13度 精米歩合:70%
- 銘柄:山の壽純米酒山田錦宗像日本酒プロジェクトおりがらみなま 区分:純米酒 原材料:米、米麹 アルコール度数:15度 精米歩合:65%
「山の壽」というひとつの蔵でつくられた4種でしたが、使用する米の違い、精米度、加熱のありなし、発酵タイプ、調合具合など、酒造りの繊細さと職人の技を感じずにはいられませんでした。
「美酒らんMARIAGE PARTY」募集要項
第22期「Fuk-美酒らん部」募集要項
- 活動内容
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日本酒講座5回・卒業発表・SNS発信など
◎プロ講師、酒蔵からのゲスト講師による講座。利き酒、酒粕パック、塩麴づくりなど。
- 応募条件
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- 福岡県近郊にお住まいで、上記の活動日(講座5回、卒業発表1回の全6回)全てに参加できる方
- 自分の暮らしにプラスを見つけるという前向きな方
- 「Fuk-美酒らん部」部員として、仲間と楽しく活動できる方
- 公式ブログの記事やSNSを通じて、学んだ内容を発信していただける方
- 20歳以上の方
- 活動日
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全6回(講座5回、卒業発表1回)
- 8月6日(火)15:00~17:00
- 8月20日(火)15:00~17:00
《ゲスト:山の壽 八代目当主 片山郁代さん》 - 9月10日(火)15:00~17:00
- 9月25日(水)15:00~17:00
《ゲスト:若波酒造 八代目杜氏 今村友香さん》 - 10月8日(火)15:00~17:00
- 10月22日(火)※卒業イベントのみ場所、時間の変更の可能性があります
- 会場
- 株式会社明治産業・会議室(福岡市中央区薬院1-14-5MG薬院ビル4F)
https://www.meiji-sangyo.co.jp/
- 募集人数
- 10名程度
(応募多数の場合は、抽選になります)
- 参加費
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1,000円
(初回に6回分の6,000円をお支払いいただきます)
※参加費は、災害復興のための資金として寄付いたします。
- 応募方法
- 応募フォームよりお申込みください。
- 締め切り
- 2024年7月25日(木)当日まで
- 永石 りさ先生
- (LSP株式会社)
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福岡生まれの福岡育ち。2003年、前職で福岡県酒造組合との「お酒の学校」企画で福岡の日本酒に出会って以来、福酒をこよなく愛す。2015年NPO法人FBO公認利き酒師を取得。
2019年から「福岡SAKEスクール」(福岡県酒造組合後援)を主催。